スポーツ障害Q&A
   
 
   
Q1→
選手がケガをしました。すぐにどのような対応をしたらよいか、応急処置を教えてください。
Q2→
ストレッチングの目的と実際の方法を教えてください。
Q3→
ウォーミングアップとクーリングダウンの効果について教えてください。
Q4→
身近に簡単に出来るトレーニング方法はありますか?
Q5→
選手が競技中に肉離れをしました。応急治療と今後の運動の進め方、予防の方法について教えて下さい。
Q6→
練習はほぼ毎日行っています。2ヶ月前から投球時に右肘の痛みが時々ありましたが、2〜3日練習を休むと痛みは治っていました。しかし、最近投球すると右肘が痛く、練習を休んでいますが痛みは続いています。いつまで休むとよいのでしょうか?

Q7→

陸上部で一日2〜3km走っています。ランニング中に両方のすねが痛くなり、10日間程休んだら痛みが軽くなりました。今までに同じようなことを2〜3回繰り返しています。近くの病院ではX線上に異常が無く、過労性骨膜炎と言われました。どのような治療法と予防法がありますか?
Q8→
バレーボールをしていますが、最近膝が痛くなってきました。特にアタックやブロックなどでジャンプした時に痛みが強く、ジャンプが思うようにできません。どうすればよいのでしょうか?
Q9→
ラグビーをしていますが、一か月前から左膝の内側に痛みを感じるようになりました。歩いても痛くはないのですが、走ると痛くなります。運動を休めば治るでしょうか?
Q10→
クラブをしていたところ、休憩中に気分が悪くなりました。曇っていても、日射病になるのでしょうか?また、どんなことに注意したらよいでしょうか?
Q11→
運動をしている時や長く立っている時に腰に痛みがありましたが、骨には異常がないといわれました。これはどういうことなのでしょうか。またどうすれば腰痛は治るのでしょうか?
Q12→
サッカーをしています(11才)。最近お皿の下に痛みを感じることがあり、走るのが辛くなるようです。翌日には痛みがなくなっています。このままサッカーを続けてもよいのでしょうか?(成長痛・オスグット・シュラッター病)
Q13→
高校でサッカー部に入部しましたが、入部当初、基礎体力強化の目的で走りこみを毎日していると、すねの下の内側に痛みが出てきたのですが?(シンスプリント・脛骨過労性骨膜炎)
Q14→
サッカーの試合中に足首を軽くひねった感じがあり、そのまま続けていると、腫れが少しでてきたのですが。(足関節捻挫)
Q15→
野球の練習中に指を突いたので友達に引っ張ってもらったのですが、その後指が曲がりません。
Q16→
野球で球を投げる時、肘に痛みがあるのですが?(野球肘)
Q17→
投球時に肩に痛みがあるのですが?
Q18→
肩が不安定な感じがするのですが?





Question1→
選手がケガをしました。すぐにどのような対応をしたらよいか、応急処置を教えてください。



★ RICE療法

現場における基本的処置として、RICE療法があります。これは、Rest(安静)、 Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(高挙)、の頭文字を 並べた言葉です。この処置を具体的にいうと、筋肉を捻挫した時、関節を捻挫した時、骨折をした時等、ほとんどのスポーツ外傷に適用できる最初の治療法です。この早期のRICE処置が、傷害の予後を決定すると言っても過言ではありません。医療機関に搬送するまでの、 現場で行う最初の治療法です。子供の突き指や捻挫も同じことです。指導者の皆様には、特にお願いしたい応急処置です。

〔処置〕

[Rest(安静)]
けがをしたらすぐに運動を中止して、受傷部位を動かさないように患部の安静を保つ。
[Ice(冷却)]
内出血による腫脹を最小限におさえるために受傷直後は患部を冷却する。冷却により痛みも軽減する。しびれ、けいれん、痛みが出現したら、ただちに中止するが、それ以外は30分間のアイシングングを行う。次いで、皮膚を温め血行を良くする為に、15分間包帯をとる。それから再度包帯をする。この手順を時間繰り返す。凍傷予防の為に、氷を直接皮膚にあてないようにする。
[Compression(圧迫)]
受傷部直後から出現する腫脹を最小限におさえるために、圧迫を行う。実際には損傷部位にスポンジ等をあてて弾力包帯で巻くと良いが、血行を妨げないよう(しびれ、けいれん、痛み)に注意する。
[Elevation(高挙)]
受傷部位を心臓よりも高く挙上することで腫脹を防止する。

〔クーリングダウンとしてのアイシング〕

数日にわたって行われる陸上十種競技のトレーナーが、一日目の最終種目400mのゴール地点でアイスボックスを持って待ちかまえていました。なにをするのかと見ていたら、ゴールインしたら間髪おかずにその場でアイスバケツの中に選手の脚を入れて、ジャブジャブと氷水をかけて冷やしていたのです。その後クールダウンのジョギングをさせていました。あとでどんな意味があるのかと聞いてみると、筋肉痛の軽減と乳酸が出るのを軽減させて、疲労を抑えるのだということでした。筋肉の温度が高いだけでエネルギーが消費されるので、いつまでも火照った状態だとエネルギーがどんどん消耗されていくことになります。その後再び運動すると、エネルギーは一層浪費されます。だから、非常に激しい運動をした後の筋温を早く元の筋温に戻す為に冷やしているそうです。一日に何試合か組まれている場合に試して下さい。

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Question2→
ストレッチングの目的と実際の方法を教えてください。



★ ストレッチング

ストレッチングは、筋肉を伸ばすための体操のことをいいます。現在は、ゆっくりと筋肉を伸ばして、一定時間静止する静的ストレッチングが、広く普及していています。この方法は、自分の筋肉の弾力性に見合っていることと、ストレッチ時間が長いことから、安全で効果的であるといわれています。ただし、目的とする筋肉に、伸ばされているというストレッチ感を感じながら行なわなければ有効とはいえません。ただ漠然と行うのではなく、ストレッチングをよく理解して行う必要があります。

ストレッチングは、筋肉の柔軟性を高めると同時に血行もよくするため、酸素供給、疲労物質の排除を円滑にする効果があります。したがって、ストレッチングは運動前のウォーミングアップとして行うだけでなく、クーリングダウンとしての効果があるわけです。

〔方法および注意点〕 

(1)
目的とする筋肉をゆっくりと伸ばし、一定時間(約20秒間)維持する。
(2)
ストレッチングの間、通常の呼吸を行う。息を吐きながら行うと、ストレッチ効果が高い。
(3)
目的の筋肉が伸ばされているという、ストレッチ感を意識して行う。
(4)
運動の前後に行う習慣をつける。
(5)
一回の手技の間に同じ筋肉を、三回ストレッチすると効果的である。 


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Question3→
ウォーミングアップとクーリングダウンの効果について教えてください。



★ ウォーミングアップとクーリングダウン

いわゆる準備運動と整理運動の意味と考えてよいでしょう。

ウォーミングアップは、スポーツ活動を行うための身体の準備をするわけですが、2つの効果が考えられます。それはスポーツによる損傷の予防と行動能力を高めることです。

人間が活動するためには、エネルギーが必要です。このエネルギーを供給するのが血液です。身体が休んでいる時、筋肉への血液の流れは比較的少なく、筋肉の中の小さな血管はほとんど閉じています。身体が活動を始めると、小さな血管が開き、筋肉への血流量が増加します。この状態になって初めて最高の力が出せるようになります。

ウォーミングアップにより、筋肉の活動が高まり運動の協調性が増します。その結果、損傷の危険性が減少し、行動力の上昇と競技への精神面の準備も整います。大きな筋肉群を動かすことからはじめ、全身より部分的なウォーミングアップへと進めて下さい。特に筋肉と関節のストレッチングは重要です。ウォーミングアップは徐々に運動量をあげ、15分〜20分位の時間が適当でしょう。ウォーミングアップ終了から競技までは、10分以内が適当で、その間身体を冷やさないように配慮してください。

また、クーリングダウンは、競技や練習後の身体の手入れとして重要であり、乳酸をはじめとする血液内の老廃物の排泄のため、軽い運動が必要です。局所的には、ストレッチングやアイスマッサージ等が有効です。 

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Question4→
身近に簡単に出来るトレーニング方法はありますか。



☆チューブトレーニング

身近なエクササイズとして、簡単に活用できる運動のひとつとして推奨できるものに、チューブトレーニングがあります。負荷の強度が自由にコントロールできるので、体力に合わせた運動が出来るし、負荷の方向が自由に設定できるので動きに合わせたトレーニングが可能です。ダンベルのように落としてケガすることもなく、場所もとらず、持ち運びも便利なので、いつでも、どこでも使用でき、正しい動作を身につけることによって安全で効率的なエクササイズが可能です。また、スポーツトレーニングとしてばかりでなく、運動不足解消、体力の維持、増進、シェイプアップなど目的に合わせて行うことができます。

[チューブトレーニングとは?]

チューブを使ったトレーニングやエクササイズには、次の三種類に分けられます。

(1)
筋力アップの為のトレーニング。一般的なエクササイズから競技特性を考慮した専門的な身体づくりのためのレジスタンストレーニング(筋に抵抗負荷をかけるトレーニングの総称)。
(2)
外傷・障害から競技復帰するために行うリハビリゼーショントレーニング、もしくは、障害予防のためのトレーニング。
(3)

神経系の働きを改善するトレーニング。つまり、チューブの伸展力を利用し、動きをアシストして行う。「スピード強化」のためのトレーニング。


[スポーツ動作に活かすチューブトレーニング]

[ 野 球 ]

[肩の回旋運動]

野球のスローイング動作に代表される肩の回旋運動のトレーニング。肘を上げた状態から、腕が後ろに残るタメを意識し、腕を振り出す。肩の回旋運動に深く関係するローテーター・カフは身体深部にある補助小筋群なので、無理をしてあまり負荷をかけないように注意。

[フォロースルー練習]

腕の振り出しから、フォロースルーにいたるスローイング動作後半の、腕を振り切る動作のトレーニング。実際にボールを投げる時の腕の振り下ろしをイメージして、フォロースルーまで連続する動作を反復実践する。フォームのチェックにも有効。


[ サッカー ]

[キック力強化] 

キック力を養成するトレーニング。足首にチューブを固定し、キック時の脚のスイング動作を反復する。キックしている動作、インパクトの瞬間などをイメージし、支持脚にしっかり体重をのせてボディーバランスも保つ。

[内転筋強化]

サッカー選手に特徴的にみられる、内転筋の肉離れ恥骨結合炎などの予防やリハビリテーションに有効な内転筋のトレーニング。膝を上げ、外側に開いた状態からチューブの抵抗に抗して内側に引き付ける。


[バレーボール]

[ジャンプ力向上 ]

ジャンプ力を養成するトレーニング。腰にチューブを固定しパート ナーにチューブを地面近くでしっかり保持してもらい、跳び上がる。 跳び上がる時は、コンセットリックな抵抗がかかり、着地する時は着地衝撃を利用したエキセントリックなトレーニングになる。

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Question5→
選手が競技中に肉離れをしました。応急治療と今後の運動の進め方、予防の方法について教えて下さい。



肉離れとは、筋繊維の一部の断裂、あるいは筋肉の膜の断裂のことをいい、筋が完全に断裂する筋断裂とは区別します。けがなどの外傷によるものではなく筋肉に予期せぬ力が加わったり、引き伸ばされたり、疲労したあげく無理をした時などに生じるものです。
スポーツ種目によって発生部位に特徴があり、短距離走では大腿後部、跳躍では大腿前面、体操では大腿内側、バレーボールでは腹部に多くみられます。症状は突然筋肉につったような痛みが走り、筋活動は不可能になります。また局所には運動痛、圧痛があり出血と腫れがみられます。

〔処置〕

〔急性期(受傷直後の処置)〕


肉離れを起こした直後は、損傷や出血を拡げないように発症から48時間以内は安静・冷却・圧迫・挙上(RICE)を徹底します。

〔回復期(後療法)〕

損傷の程度にもよりますが、発症2〜3日後より局所の循環回復をはかり損傷した組織の修復を促します。 実際は、温熱療法や軽いストレッチングを始め、自発痛、圧痛、動作時痛、ストレッチング痛をみながら運動を開始します。自発痛消失はストレッチング開始の、圧痛や動作時痛消失は軽いジョギングの、ストレッチング痛や抵抗運動痛の消失は運動負荷の強度を上げていく目安としてください(表1参照)。軽傷では3週間、中等症では6週間が後療法の目安となります。消炎外用剤(シップ剤等)使用し、局所に血腫を作った場合は血を抜く必要もあります。

〔予防〕

肉離れの原因として(1)筋肉の柔軟性低下、(2)筋力低下、(3)ウォーミングアップ不足が考えられます。したって肉離れの予防は、筋肉の予備能力を高めることにあります。

(1)
筋肉の柔軟性低下を予防するために運動後の筋肉の炎症、疲労、疲労物質の蓄積による拘縮を早期に除去する必要があります。そのためにアイシング、マッサージ、 ストレッチングを行います。
(2)
肉離れの発生頻度が高い筋群を中心に筋力強化を行いますが瞬発力、持久力いずれについても向上を目指し左右差、拮抗筋とのバランスも改善されます。また求心性筋収縮のトレーニングのみでなく受傷時の収縮様式に多い遠心性筋収縮のトレーニングも行うことが望ましいと考えられます。
(3)

ウォーミングアップとして、ストレッチングが勧められます。

これだけの予防を十分に行っても、肉離れはスポーツ動作の限界に近い状況で発生するので、 普段から各自の筋力を熟知し、コンディションを整えておくことが重要だと思われます。


表1 下肢肉離れの後療法

発生直後
RICE
第一段階
約48時間後、自発痛軽減、軽度の自動運動(歩行)。
第二段階

自発痛消失、歩行可能、自動運動強化。

第三段階
圧痛軽減、歩行時痛消失、ジョギング開始。
第四段階
圧痛消失、ストレッチング痛軽減、ハーフダッシュ。
第五段階
ストレッチング痛、抵抗運動痛消失、ダッシュ、ジャンプ、筋力トレーニング80%。
第六段階
前段階にて疼痛再発なし、筋力トレーニング100%。
完全復帰
 


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Question6→ 練習はほぼ毎日行っています。2ヶ月前から投球時に右肘の痛みが時々ありましたが2〜3日練習を休むと痛みは治っていました。しかし、最近投球すると右肘が痛く、練習を休んでいますが痛みは続いています。いつまで休むとよいのでしょうか。



☆ 野球肘

右肘は変形がなく、関節の動きも異常ありません。しかし、右肘の骨の内側外側で、筋肉の付着部を押さえると痛みがあります。また前腕を円に回す力に抵抗を加えると、痛みがあります。いわゆる野球肘と考えられます。野球肘には、筋肉付着部の関節外軟骨が傷つく場合と、関節内の軟骨が傷つく場合があります。傷害軟骨の種類や程度によって、2〜3週間から数か月間の安静、時には2年間ほど投球動作を中止しなければなりません。正確な診断のために、レントゲン検査、MRI検査、CT検査が必要です。必ず専門医を受診してください。

〔処置〕

痛む所をアイシングする。
ストレッチングを行う。

投球動作を中止する。

2kgの軽いダンベルを用いた上肢の筋力トレーニングを行う。
投球動作中止期間は、ランニングや筋力増強訓練など全身の体力作りを行う。
関節外軟骨の障害なら2〜3週間の安静後、痛みが取れればシャドーピッチングから徐々に投球を始める。
関節内軟骨の障害なら、軟骨の修復が完了するまで投球動作を中止する。
時には、他のスポーツへの変更が勧められることもある。

〔予防〕
少年期の軟骨は、傷つきやすいが修復も早く、痛みを必ずしも障害の指標にはなりません。野球肘の原因はオーバートレーニングにあります。コーチ、監督の責任が問われる可能性があり、傷害予防対策には十分な配慮が必要です。指導者に対する注意点をあげておきます。
 
(1) 投数を一日50球、週300球にとどめる。
(2) 連投をさせない。
(3) 投手、捕手は2名以上養成する。
(4) シーズンオフを設定する。
(5) 練習は一日2時間以内にする。
(6) 練習前後のウォーミングアップとクーリングダウンを十分に行う。
(7) 投手、捕手は定期的にメディカル・チェックを受ける。

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Question7→ 陸上部で一日2〜3km走っています。ランニング中に両方のすねが痛くなり、10日間程休んだら痛みが軽くなりました。今までに同じようなことを2〜3回繰り返しています。近くの病院ではX線上に異常が無く、過労性骨膜炎と言われました。どのような治療法と予防法がありますか?



☆  シンスプリント

両側に軽い扁平足、両脛骨の中央部から下1/3後内縁(すねの内側下部)に腫れと強い圧痛(圧迫すると痛い)があり、足関節や足趾(指)を底屈(足底側に曲げる)させながら抵抗を加えると痛みが増強すること、X線検査で異常のないこと等から、脛骨過労性骨膜炎(シンスプリント)と診断できます。これは、足関節や足趾を底屈する筋肉の脛骨起始部に、繰り返し加えられるストレスによって起きる骨膜の炎症であると考えられています。中学や高校に入学したての新人や、オフ、試験明けのハードな練習後に発症しやすく、男性よりも女性に多くみられるようです。一般にはコンディションの不十分な時期に、トレーニングの量や内容が適当でなかったり、扁平足や回内足、あるいはシューズの磨耗や薄いシューズ等、シューズが適切でなかった時などに発生しています。

《処置》

練習量を少なくし、ランニングの距離を減らす。走るスピードを遅くする。全力疾走をやめる。
練習前後のストレッチングを十分行う。

練習直後には氷によるアイシングを行う。

消炎鎮痛剤のクリームを塗布する。
靴の中に扁平足用の足底板(アーチパッド)を入れる。
痛みや腫れの強い時には、超音波や渦流浴、ホットパック等の理学療法を行う。

《予防と対策》

(1)
ランニングやジャンプの量を少なくし、ジャンプ着地時には深くしゃがみこまないようにすること。
(2)
十分にウォーミングアップをし、運動前後や入浴後にはストレッチングを行う。ストレッチングは膝を伸ばして、更に軽く曲げて腓腹筋、ひらめ筋(ふくらはぎの筋肉)をストレッチする。
(3)

足関節を背屈(足の甲の方向へ)する筋肉の筋力強化を行う。更にチューブやカーフェイス(踵上げ)、タオルギャザー等によって筋力強化を行う。

(4)
土、芝生等柔らかい路面でのランニングに切り換え、カーブの繰り返しを避けて逆回りも行う。
(5)
クッションのよいシューズを履き、磨耗して薄くなったシューズは取り替える。
(6)
回内足や扁平足等のある場合には、ヒールウェッジやヒールパッドを使用する。
(7)
体重(体脂肪量)を管理する。
(8)
その場片足跳び(片足けんけん)でチェックして、痛みが無くなったら早歩き、軽いジョギング、ランニングへと移るようにする。

《鑑別疾患》

脛骨疲労骨折

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Question8→ バレーボールをしていますが、最近膝が痛くなってきました。特にアタックやブロックなどでジャンプした時に痛みが強く、ジャンプが思うようにできません。どうすればよいのでしょうか?



☆ ジャンパー膝

膝蓋骨(さら)の下端を押すと痛みがあり、ジャンプの踏切や着地時に痛いことから、俗に「ジャンパー膝」と呼ばれている「膝蓋骨靱帯炎」と診断できます。ジャンプの踏切や着地時には、大腿部前面の大腿四頭筋に多大な力が加わり、膝伸展機構(大腿四頭筋−膝蓋骨−膝蓋靱帯)がこの力の吸収に関係しています。ジャンプ動作が多いと、この膝伸展機構に絶えずストレスが加わり、特に骨と靱帯の移行部で、弱い膝蓋骨下端に小さな断裂や炎症が起こります。膝蓋靱帯は血流が乏しく、いったん炎症を起こすと治りにくい傾向にありますが、温まると痛みが軽くなるのも特徴です。ジャンプの動作が多い、バレーボールやバスケットボール、また陸上(跳躍)、バトミントンなどに多い障害の一つです。

《処置》

痛みが軽いうちに練習量を減らしたり、ジャンプを控えめにする。(最初は練習後に痛みを感じるだけが、ひどくなると慢性になり練習ができなくなる。)
練習前後に大腿四頭筋のストレッチングを十分行う。(練習前は、ホットパックなどで膝を温めてから行うと効果的)

練習後は氷でアイスマッサージを行う。以上で痛みが治まらなかったり、痛みが強い場合は完全休養とし、ギプス固定や手術により治す場合もあります。

《鑑別疾患》

オスグッド病、有痛性分裂膝蓋骨。


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Question9→ ラグビーをしていますが、一か月前から左膝の内側に痛みを感ずるようになりました。歩いても痛くはないのですが、走ると痛くなります。運動を休めば治るでしょうか?



☆ 半月版損傷

膝関節の腫れや不安定性はなく、内側の関節の隙間をおすと痛みがあり、膝を完全に伸ばすと内側後部に痛みが出現することから、内側半月損傷を疑います。半月(半月板)は半月状の線維軟骨からできており、膝関節の内側、外側において大腿骨と脛骨との間を埋め、緩衝用パッドの役割を果たしています。すなわち、関節の安定性と衝撃吸収機構を担っています。

《損傷機転》

膝に体重がかかった状態で無理にひねったり、過度に伸ばしたり、曲げたりした時に生じます。

《症状》

受傷時に痛みを自覚しないこともあり、多様であるが、時間の経過と共に症状は重くなっていきます。これは、半月という軟骨が血液供給を受けていない組織である為、一旦、断裂が生じると自然に治ることはなく、最初は、ごくわずかな断裂であっても、そのままスポーツを続けると、それが大きくなってくることから説明することができます。そして、断裂が大きくなるとその切れ端が膝の異常な部位に滑り込んでしまい、次のような半月版に特徴的な症状を示すようになります。

(1) 膝を完全に伸ばすことができなくなる 「ロッキング」。
(2) 膝くずれがおこる 「ギィヴィングウェイ」。

この様な症状を放置すると、膝に水がたまったり、ついには関節軟骨が障害されて、運動ができなくなることにもなりかねません。

《処置》
先に述べたように、半月損傷であれば自然に治ることはないので、膝の異常を感じた時は、早めに医療機関に受診しましょう。

《予防》
運動前には準備運動を十分にしておき、特に腹部の前後、左右、回転等の動作に時間をかけるようにします。

《鑑別疾患》
前十字靱帯損傷・骨軟骨骨折・離断性骨軟骨炎・変形性膝関節症など。


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Question10→ クラブをしていたところ、休憩中に気分が悪くなりました。曇っていても、日射病になるのでしょうか?また、どんなことに注意したらよいでしょうか?



☆  熱中症 

高温多湿下で、激しい運動をした時などに起こる、体の障害を熱中症と言います。病気によると体力低下、激しい運動、飲酒、睡眠不足、トレーニングの不足などで起こりやすくなります。その程度によって熱けいれん、熱疲労、熱射病に分類され、特に頭頚部が太陽光線に直接照射されて発生する場合を、日射病と呼びます。

〔日射病〕
日光の中には各種の放射線が含まれ、可視光線より波長の大きい赤外線は熱線とも呼ばれます。その熱作用による皮膚血管の拡張と、運動による筋肉への血流の増加に対して、心臓の働きが対応できなくなっておこる一種の循環失調です。発汗が著明で頻脈、低血圧、顔面蒼白、失神がみられますが、体温は正常か低下しています。

〔熱性けいれん〕
大量の発汗により水分や塩分が失われた時に、水分のみを取って食塩の摂取が不十分な場合に、疼痛を伴う四肢の筋肉のけいれんを起こすことがあり、同時に腸管平滑筋のけいれんのため腹痛を訴えることもあります。体温は正常か軽度上昇する程度です。

〔熱疲労/熱射病〕
脱水が増悪し、うつ病がさらに進行すると、体温調節機構(輻射・伝導・蒸散)が失われ、各臓器に障害があらわれます。熱疲労はその前階段で、障害がでた段階を熱射病と言います。皮膚は乾燥し、体温も41°以上になります。脱力感、頭痛、めまい、はきけ、食欲不振、精神錯乱、せん妄状態、意識喪失がみられます。

〔処置〕

軽い場合、涼しい所に運び、着衣をゆるめ、仰向けにし足の方をやや高くし(ショック本位)、飲料水をのませます。
冷たいタオル、氷片、またアルコール綿で全身をマッサージし、扇風機やクーラなどの涼しい風をあてるのもよいでしょう。
体温が高く、意識の回復が悪いようならば、点滴や急速な体温冷却が必要ですので、できるだけはやく医療機関を受診させて下さい。

〔予防〕
(1)炎天下や高温多湿下の室温での長時間の激しい運動を避けることが大切です。
(2)運動中および後には、塩分の入った飲用水を十分とるようにします。


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Question11→ 運動をしているときや長く立っている時に腰に痛みがありましたが、骨には異常がないといわれました。これはどういうことなのでしょうか。またどうすれば腰痛は治るのでしょうか?



☆  筋・筋膜性腰痛

発育期のスポーツ選手に多くみられる腰痛としては、(1)脊髄分離症、(2)椎間板ヘルニア、(3)筋・筋膜性腰痛などがあります。この方の場合、レントゲン検査で骨などには異常がなく、知覚障害や筋力低下もないので、(1)(2)は否定的です。腰椎の運動制限や腰部全体の筋肉のこわばりがあり、下肢の筋肉(大腿四頭筋・ハムストリング)のつっぱりが強いので、(3)の筋・筋膜性腰痛だと思われます。下肢の筋肉がつっぱていると、腰はお尻を突き出して胸をそらした姿勢(腰椎前湾の増強)をとってしまいます。この不良姿勢のため、背筋に持続的なストレスがかかり、腰痛を生じます。

《予防と対策》
(1)下肢の筋肉(大腿四頭筋、ハムストリング)のストレッチングを行う。

(2)姿勢の改善を心がけ。

長く立つような場合は、片足を台の上に乗せるなどして、腰に負担がかからないような姿勢をとる。
運動後、腰堆前弯を緩和する姿勢をとり、筋肉を完全にリラックスさせる。

(3)日頃から筋肉の状態をチェックしておく。

上向きに寝て、膝を、伸ばしたまま下肢を90度まで持ち上げます。この途中でお尻が上がったり、膝が曲がったりしたら拘縮があります。
うつぶせに寝かせ、踵がお尻につくまで膝を曲げます。途中で、お尻が持ち上がったりお尻につかなかったら拘縮があります。※拘縮がある場合の障害について。
ランニングやジャンプなどの動作で膝やアキレス腱周囲に炎症をきたしやすい。
腰推が不良姿勢をとることが多く、腰痛を生じやすい。

(4)筋力トレーニング

腰痛がある人にとっては、腰への負担がかからないように行うことが大切です。
例えば、腹筋運動では、膝を屈曲し頭が少し持ち上がる程度に腹筋を収縮させます。
そして、その姿勢を5秒維持するようにします。これだけで十分なトレーニング効果が得られます。背筋については、足を伸ばして座ります。そして、背中を後ろから支えてもらい、それをはねのけるように背筋に力をいれます。そうすれば腰をそらすことなく、背筋の収縮を得ることができます。


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Question12→ サッカーをしています(11才)。最近お皿の下に痛みを感じることがあり、走るのが辛くなるようです。翌日には痛みがなくなっています。このままサッカーを続けてもよいのでしょうか?(成長痛・オスグット・シュラッター病)



10歳代前半の発育期の子供にみられるスポーツ障害です。 ジャンプ、ランニング、キックなどの動作が多い、バスケットボール、サッカー、バレーボール、陸上競技などでよくみられます。  太ももの前にある大腿四頭筋が脛骨粗面(膝下の骨の隆起したところ)の骨を引っ張り、力学的に弱い成長軟骨に傷がつき、骨が隆起します。
症状は脛骨粗面が隆起し、腫れたり、熱をもったりします。 運動をしているときや、正座、何かがあたったりしたときに痛みを感じます。
治療は、安静、アイシングで炎症を抑えると同時に、太ももの前の大腿四頭筋のストレッチを行います。 運動の中止や期間、復期時のレベル決定には慎重を要し、中途半端に運動を続けることでかえって長びいたり、慢性化したりする事もありますが、単に長期間休ませることで運動レベルを落としてしまうこともありますので、安易に判断せず、一度ご相談下さい。


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Question13→ 高校でサッカー部に入部しましたが、入部当初、基礎体力強化の目的で走りこみを毎日していると、すねの下の内側に痛みが出てきたのですが?(シンスプリント・脛骨過労性骨膜炎)



すねの内側の痛みで、よくみられるのは、シンスプリントです。内くるぶしから10〜20cmの脛骨(すねの骨)にランニングやジャンプの時に痛みがあり、ひどくなると疲労骨折になることもあります。その部分を指で押すと強い痛みがありますが、腫れや熱感はほとんどありません。
陸上競技、サッカー、バスケットボール、などランニングやジャンプ動作が多い競技によくみられます。
この障害は、練習量が増えたり、固い地面での練習やシューズのクッションが悪かったり、ランニングやジャンプなどによる脚への負担を、脛骨の周囲の筋肉が吸収できず、脛骨に無理がかかるためと考えられています。また、扁平足やO脚などの骨格のアンバランスがある人に起こりやすいです。
 治療法は練習量を減らし、ランニングやジャンプを中止し、アイシングや温熱療法を行います。また、ふくらはぎの筋肉のストレッチや足首の筋肉強化を十分に行います。
練習の再開は、指で押した時の痛みが消えてから、芝や土などの柔らかい地面で走ることから始めます。焦らず徐々に運動量を増やしていくようにして下さい。再開時の判断など分からない事は一度ご相談下さい。


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Question14→ サッカーの試合中に足首を軽くひねった感じがあり、そのまま続けていると、腫れが少しでてきたのですが。(足関節捻挫)



サッカーに限らず他のスポーツにおいても多い外傷です。捻挫をしたら、とにかく早くRICE処置を行います。外傷直後の出血、浮腫を最小限に押さえることが重要です。完治後は、同じ捻挫を繰り返し起こさない為に、チューブやタオルを使って、足首まわりの筋力トレーニングをして予防しましょう。
捻挫を起こしやすい部位にテープやサポーターを使用する事が有効ですが、それだけに頼らず、根本的な予防を心がけて下さい。 普段からトレーニングを行うことで、関節をサポートする筋肉を強化しておくことが大切です。さらにスポーツの前後に必ずストレッチングをする習慣をつけましょう。関節の柔軟性を高めることで捻挫の予防につながります。


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Question15→ 野球の練習中に指を突いたので友達に引っ張ってもらったのですが、その後、指が曲がりません。



突き指は誰でも一度は経験していると思います。 子供の時ボール遊びをしていて、ドアにぶつけたとか。そんな時、突き指ぐらいと侮ってはいませんでしたか?。突き指でも色々な段階があって、その程度には軽いものから重症なものまで、人それぞれです。
軽傷なものは問題ないと思いますが、重傷なものでは、指の腱が切れているもの、骨折が起こっているものまであります。 そんな時、適切な処置や治療をしないと、指をまっすぐに伸ばせないなどの後遺症が残ってしまいます。  
治療は、軽いものでアイシングとテーピングなどで固定するほうが早く治ります。
昔から突き指というと闇雲に指を引っ張ったものですが、これは間違いで絶対にしないで下さい。中の傷口を大きくしているようなものなので、引っ張らずに、まず、アイシングと圧迫固定をしましょう。


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Question16→ 野球で球を投げる時、肘に痛みがあるのですが?(野球肘)



野球肘は成長期の野球少年によく発生し、特にピッチャーの子が損傷しやすいです。成長期の少年の肘は成長途中にあり、関節のほとんどは、まだ軟骨が多い為に過激な練習に耐え切れず障害が起きてきます。
投球動作では腕を振り上げてから投げ下ろす時に、肘の内側で強力な引っ張り力がかかり、外側では衝突力がかかります。 人間の体は少々の事ではへこたれないようになっていますが、限度があります。繰り返し負担をかけられると、しまいには音を上げます。内側の靭帯に炎症を起こし、ひどい時には軟骨がずれてくると言う現象が起きてきます。
治療としては、使い過ぎ症候群であるので、投球練習を減らすなど症状によって練習内容を変更し、練習後はストレッチ、アイシングをしっかり行うようにして下さい。


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Question17→ 投球時に肩に痛みがあるのですが?



成長期の野球少年に発生することのある肩の痛みで、リトルリーグ肩と呼ばれる事もあります。上腕骨(肩から肘にある骨)の肩側の骨端線(成長軟骨)が離開してしまう症状です。 投球に伴う肩の痛みが特徴で、進行すると投球後も痛みが続くこともあります。投手だけでなく、野手にも発生する事もあります。骨端線の一部に、ねじれと引っ張りの力が繰り返される事が原因です。
治療は野球肘と同様ですが、完治後の投球再開時には、今までのフォームだと再発の可能性があるので、肩の負担の少ないフォームに変更して正しい投げ方に改善していって下さい。また、フォームチェックなどの指導も行っていますので、ご相談下さい。


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Question18→ 肩が不安定な感じがするのですが?



肩関節周辺の神経、筋肉、骨の異常はないのですが、肩の関節に不安定性があり、異常にゆるくなっている状態のことをルーズショルダーといいます。
運動中にちょっとした動作で、肩に痛みが走ったり、捻挫などを起こす事もあります。
このような症状に対しては、それに伴う痛みの治療はもちろんですが、肩関節周囲の筋肉(特にインナー筋と呼ばれる肩の奥の小さい筋肉)の強化が必要となってきます。強化方法は、ダンベルやゴムチューブなどを使い、長期にわたり継続していかなければなりません。

当院のスポーツコンディショニング倶楽部では、ダンベル、 チューブなどを使ってのトレーニング方法の指導を行っておりますので一度ご相談下さい。


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