★ RICE療法 現場における基本的処置として、RICE療法があります。これは、Rest(安静)、 Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(高挙)、の頭文字を 並べた言葉です。この処置を具体的にいうと、筋肉を捻挫した時、関節を捻挫した時、骨折をした時等、ほとんどのスポーツ外傷に適用できる最初の治療法です。この早期のRICE処置が、傷害の予後を決定すると言っても過言ではありません。医療機関に搬送するまでの、 現場で行う最初の治療法です。子供の突き指や捻挫も同じことです。指導者の皆様には、特にお願いしたい応急処置です。 〔処置〕
〔クーリングダウンとしてのアイシング〕 |
★ ストレッチング ストレッチングは、筋肉を伸ばすための体操のことをいいます。現在は、ゆっくりと筋肉を伸ばして、一定時間静止する静的ストレッチングが、広く普及していています。この方法は、自分の筋肉の弾力性に見合っていることと、ストレッチ時間が長いことから、安全で効果的であるといわれています。ただし、目的とする筋肉に、伸ばされているというストレッチ感を感じながら行なわなければ有効とはいえません。ただ漠然と行うのではなく、ストレッチングをよく理解して行う必要があります。 ストレッチングは、筋肉の柔軟性を高めると同時に血行もよくするため、酸素供給、疲労物質の排除を円滑にする効果があります。したがって、ストレッチングは運動前のウォーミングアップとして行うだけでなく、クーリングダウンとしての効果があるわけです。 〔方法および注意点〕
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★ ウォーミングアップとクーリングダウン いわゆる準備運動と整理運動の意味と考えてよいでしょう。 ウォーミングアップは、スポーツ活動を行うための身体の準備をするわけですが、2つの効果が考えられます。それはスポーツによる損傷の予防と行動能力を高めることです。 人間が活動するためには、エネルギーが必要です。このエネルギーを供給するのが血液です。身体が休んでいる時、筋肉への血液の流れは比較的少なく、筋肉の中の小さな血管はほとんど閉じています。身体が活動を始めると、小さな血管が開き、筋肉への血流量が増加します。この状態になって初めて最高の力が出せるようになります。 ウォーミングアップにより、筋肉の活動が高まり運動の協調性が増します。その結果、損傷の危険性が減少し、行動力の上昇と競技への精神面の準備も整います。大きな筋肉群を動かすことからはじめ、全身より部分的なウォーミングアップへと進めて下さい。特に筋肉と関節のストレッチングは重要です。ウォーミングアップは徐々に運動量をあげ、15分〜20分位の時間が適当でしょう。ウォーミングアップ終了から競技までは、10分以内が適当で、その間身体を冷やさないように配慮してください。 また、クーリングダウンは、競技や練習後の身体の手入れとして重要であり、乳酸をはじめとする血液内の老廃物の排泄のため、軽い運動が必要です。局所的には、ストレッチングやアイスマッサージ等が有効です。 |
☆チューブトレーニング 身近なエクササイズとして、簡単に活用できる運動のひとつとして推奨できるものに、チューブトレーニングがあります。負荷の強度が自由にコントロールできるので、体力に合わせた運動が出来るし、負荷の方向が自由に設定できるので動きに合わせたトレーニングが可能です。ダンベルのように落としてケガすることもなく、場所もとらず、持ち運びも便利なので、いつでも、どこでも使用でき、正しい動作を身につけることによって安全で効率的なエクササイズが可能です。また、スポーツトレーニングとしてばかりでなく、運動不足解消、体力の維持、増進、シェイプアップなど目的に合わせて行うことができます。 [チューブトレーニングとは?] チューブを使ったトレーニングやエクササイズには、次の三種類に分けられます。
[ 野 球 ] [肩の回旋運動] [フォロースルー練習]
[内転筋強化]
[ジャンプ力向上 ] |
肉離れとは、筋繊維の一部の断裂、あるいは筋肉の膜の断裂のことをいい、筋が完全に断裂する筋断裂とは区別します。けがなどの外傷によるものではなく筋肉に予期せぬ力が加わったり、引き伸ばされたり、疲労したあげく無理をした時などに生じるものです。 スポーツ種目によって発生部位に特徴があり、短距離走では大腿後部、跳躍では大腿前面、体操では大腿内側、バレーボールでは腹部に多くみられます。症状は突然筋肉につったような痛みが走り、筋活動は不可能になります。また局所には運動痛、圧痛があり出血と腫れがみられます。 〔処置〕
これだけの予防を十分に行っても、肉離れはスポーツ動作の限界に近い状況で発生するので、 普段から各自の筋力を熟知し、コンディションを整えておくことが重要だと思われます。
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☆ 野球肘 右肘は変形がなく、関節の動きも異常ありません。しかし、右肘の骨の内側外側で、筋肉の付着部を押さえると痛みがあります。また前腕を円に回す力に抵抗を加えると、痛みがあります。いわゆる野球肘と考えられます。野球肘には、筋肉付着部の関節外軟骨が傷つく場合と、関節内の軟骨が傷つく場合があります。傷害軟骨の種類や程度によって、2〜3週間から数か月間の安静、時には2年間ほど投球動作を中止しなければなりません。正確な診断のために、レントゲン検査、MRI検査、CT検査が必要です。必ず専門医を受診してください。 〔処置〕
〔予防〕 |
☆ シンスプリント 両側に軽い扁平足、両脛骨の中央部から下1/3後内縁(すねの内側下部)に腫れと強い圧痛(圧迫すると痛い)があり、足関節や足趾(指)を底屈(足底側に曲げる)させながら抵抗を加えると痛みが増強すること、X線検査で異常のないこと等から、脛骨過労性骨膜炎(シンスプリント)と診断できます。これは、足関節や足趾を底屈する筋肉の脛骨起始部に、繰り返し加えられるストレスによって起きる骨膜の炎症であると考えられています。中学や高校に入学したての新人や、オフ、試験明けのハードな練習後に発症しやすく、男性よりも女性に多くみられるようです。一般にはコンディションの不十分な時期に、トレーニングの量や内容が適当でなかったり、扁平足や回内足、あるいはシューズの磨耗や薄いシューズ等、シューズが適切でなかった時などに発生しています。 《処置》
《予防と対策》
《鑑別疾患》 |
☆ ジャンパー膝 膝蓋骨(さら)の下端を押すと痛みがあり、ジャンプの踏切や着地時に痛いことから、俗に「ジャンパー膝」と呼ばれている「膝蓋骨靱帯炎」と診断できます。ジャンプの踏切や着地時には、大腿部前面の大腿四頭筋に多大な力が加わり、膝伸展機構(大腿四頭筋−膝蓋骨−膝蓋靱帯)がこの力の吸収に関係しています。ジャンプ動作が多いと、この膝伸展機構に絶えずストレスが加わり、特に骨と靱帯の移行部で、弱い膝蓋骨下端に小さな断裂や炎症が起こります。膝蓋靱帯は血流が乏しく、いったん炎症を起こすと治りにくい傾向にありますが、温まると痛みが軽くなるのも特徴です。ジャンプの動作が多い、バレーボールやバスケットボール、また陸上(跳躍)、バトミントンなどに多い障害の一つです。 《処置》
《鑑別疾患》 |
☆ 半月版損傷 膝関節の腫れや不安定性はなく、内側の関節の隙間をおすと痛みがあり、膝を完全に伸ばすと内側後部に痛みが出現することから、内側半月損傷を疑います。半月(半月板)は半月状の線維軟骨からできており、膝関節の内側、外側において大腿骨と脛骨との間を埋め、緩衝用パッドの役割を果たしています。すなわち、関節の安定性と衝撃吸収機構を担っています。 《損傷機転》 膝に体重がかかった状態で無理にひねったり、過度に伸ばしたり、曲げたりした時に生じます。 《症状》 この様な症状を放置すると、膝に水がたまったり、ついには関節軟骨が障害されて、運動ができなくなることにもなりかねません。 《処置》 《予防》 《鑑別疾患》 |
☆ 熱中症 高温多湿下で、激しい運動をした時などに起こる、体の障害を熱中症と言います。病気によると体力低下、激しい運動、飲酒、睡眠不足、トレーニングの不足などで起こりやすくなります。その程度によって熱けいれん、熱疲労、熱射病に分類され、特に頭頚部が太陽光線に直接照射されて発生する場合を、日射病と呼びます。 〔日射病〕 〔熱性けいれん〕 〔熱疲労/熱射病〕 〔処置〕
〔予防〕 |
☆ 筋・筋膜性腰痛 発育期のスポーツ選手に多くみられる腰痛としては、(1)脊髄分離症、(2)椎間板ヘルニア、(3)筋・筋膜性腰痛などがあります。この方の場合、レントゲン検査で骨などには異常がなく、知覚障害や筋力低下もないので、(1)(2)は否定的です。腰椎の運動制限や腰部全体の筋肉のこわばりがあり、下肢の筋肉(大腿四頭筋・ハムストリング)のつっぱりが強いので、(3)の筋・筋膜性腰痛だと思われます。下肢の筋肉がつっぱていると、腰はお尻を突き出して胸をそらした姿勢(腰椎前湾の増強)をとってしまいます。この不良姿勢のため、背筋に持続的なストレスがかかり、腰痛を生じます。 《予防と対策》
(3)日頃から筋肉の状態をチェックしておく。
(4)筋力トレーニング |
10歳代前半の発育期の子供にみられるスポーツ障害です。 ジャンプ、ランニング、キックなどの動作が多い、バスケットボール、サッカー、バレーボール、陸上競技などでよくみられます。 太ももの前にある大腿四頭筋が脛骨粗面(膝下の骨の隆起したところ)の骨を引っ張り、力学的に弱い成長軟骨に傷がつき、骨が隆起します。 症状は脛骨粗面が隆起し、腫れたり、熱をもったりします。 運動をしているときや、正座、何かがあたったりしたときに痛みを感じます。 治療は、安静、アイシングで炎症を抑えると同時に、太ももの前の大腿四頭筋のストレッチを行います。 運動の中止や期間、復期時のレベル決定には慎重を要し、中途半端に運動を続けることでかえって長びいたり、慢性化したりする事もありますが、単に長期間休ませることで運動レベルを落としてしまうこともありますので、安易に判断せず、一度ご相談下さい。 上に戻る |
すねの内側の痛みで、よくみられるのは、シンスプリントです。内くるぶしから10〜20cmの脛骨(すねの骨)にランニングやジャンプの時に痛みがあり、ひどくなると疲労骨折になることもあります。その部分を指で押すと強い痛みがありますが、腫れや熱感はほとんどありません。 陸上競技、サッカー、バスケットボール、などランニングやジャンプ動作が多い競技によくみられます。 この障害は、練習量が増えたり、固い地面での練習やシューズのクッションが悪かったり、ランニングやジャンプなどによる脚への負担を、脛骨の周囲の筋肉が吸収できず、脛骨に無理がかかるためと考えられています。また、扁平足やO脚などの骨格のアンバランスがある人に起こりやすいです。 治療法は練習量を減らし、ランニングやジャンプを中止し、アイシングや温熱療法を行います。また、ふくらはぎの筋肉のストレッチや足首の筋肉強化を十分に行います。 練習の再開は、指で押した時の痛みが消えてから、芝や土などの柔らかい地面で走ることから始めます。焦らず徐々に運動量を増やしていくようにして下さい。再開時の判断など分からない事は一度ご相談下さい。 上に戻る |
サッカーに限らず他のスポーツにおいても多い外傷です。捻挫をしたら、とにかく早くRICE処置を行います。外傷直後の出血、浮腫を最小限に押さえることが重要です。完治後は、同じ捻挫を繰り返し起こさない為に、チューブやタオルを使って、足首まわりの筋力トレーニングをして予防しましょう。 捻挫を起こしやすい部位にテープやサポーターを使用する事が有効ですが、それだけに頼らず、根本的な予防を心がけて下さい。 普段からトレーニングを行うことで、関節をサポートする筋肉を強化しておくことが大切です。さらにスポーツの前後に必ずストレッチングをする習慣をつけましょう。関節の柔軟性を高めることで捻挫の予防につながります。 上に戻る |
突き指は誰でも一度は経験していると思います。 子供の時ボール遊びをしていて、ドアにぶつけたとか。そんな時、突き指ぐらいと侮ってはいませんでしたか?。突き指でも色々な段階があって、その程度には軽いものから重症なものまで、人それぞれです。 軽傷なものは問題ないと思いますが、重傷なものでは、指の腱が切れているもの、骨折が起こっているものまであります。 そんな時、適切な処置や治療をしないと、指をまっすぐに伸ばせないなどの後遺症が残ってしまいます。 治療は、軽いものでアイシングとテーピングなどで固定するほうが早く治ります。 昔から突き指というと闇雲に指を引っ張ったものですが、これは間違いで絶対にしないで下さい。中の傷口を大きくしているようなものなので、引っ張らずに、まず、アイシングと圧迫固定をしましょう。 上に戻る |
野球肘は成長期の野球少年によく発生し、特にピッチャーの子が損傷しやすいです。成長期の少年の肘は成長途中にあり、関節のほとんどは、まだ軟骨が多い為に過激な練習に耐え切れず障害が起きてきます。 投球動作では腕を振り上げてから投げ下ろす時に、肘の内側で強力な引っ張り力がかかり、外側では衝突力がかかります。 人間の体は少々の事ではへこたれないようになっていますが、限度があります。繰り返し負担をかけられると、しまいには音を上げます。内側の靭帯に炎症を起こし、ひどい時には軟骨がずれてくると言う現象が起きてきます。 治療としては、使い過ぎ症候群であるので、投球練習を減らすなど症状によって練習内容を変更し、練習後はストレッチ、アイシングをしっかり行うようにして下さい。 上に戻る |
成長期の野球少年に発生することのある肩の痛みで、リトルリーグ肩と呼ばれる事もあります。上腕骨(肩から肘にある骨)の肩側の骨端線(成長軟骨)が離開してしまう症状です。 投球に伴う肩の痛みが特徴で、進行すると投球後も痛みが続くこともあります。投手だけでなく、野手にも発生する事もあります。骨端線の一部に、ねじれと引っ張りの力が繰り返される事が原因です。 治療は野球肘と同様ですが、完治後の投球再開時には、今までのフォームだと再発の可能性があるので、肩の負担の少ないフォームに変更して正しい投げ方に改善していって下さい。また、フォームチェックなどの指導も行っていますので、ご相談下さい。 上に戻る |
肩関節周辺の神経、筋肉、骨の異常はないのですが、肩の関節に不安定性があり、異常にゆるくなっている状態のことをルーズショルダーといいます。 運動中にちょっとした動作で、肩に痛みが走ったり、捻挫などを起こす事もあります。 このような症状に対しては、それに伴う痛みの治療はもちろんですが、肩関節周囲の筋肉(特にインナー筋と呼ばれる肩の奥の小さい筋肉)の強化が必要となってきます。強化方法は、ダンベルやゴムチューブなどを使い、長期にわたり継続していかなければなりません。 当院のスポーツコンディショニング倶楽部では、ダンベル、 チューブなどを使ってのトレーニング方法の指導を行っておりますので一度ご相談下さい。 上に戻る |